次に目指す飛鳥寺は、伝飛鳥板蓋宮跡より北へ、
少し歩いたところにあります。
この時間にはもうだいぶ日も陰り始め、
かいた汗が少しひんやりしてきていました。
飛鳥寺は596年に蘇我馬子が建立したといわれ、
日本で最初の伽藍配置を備えた本格的寺院として有名。
しかもご本尊の飛鳥大仏は、日本最初の大仏と言われており、
ん〜、これはわくわくせざるをえません。
実際の飛鳥寺は、その他の飛鳥の建造物同様、
「いつもそこにある」といった感じ。
ひっそりと景色に馴染んでいて、穏やかな雰囲気で
まるで田舎の祖父母の家に帰って来たような、
そんな懐かしいあたたかさでいっぱいでした。
大仏様がおられる建物に入ると、
面白いことに、なにか係りのひとなのかな、
とってもいい感じのおじいちゃんがおられて、
そのおじいちゃんが、とっても楽しそうに、
飛鳥寺と大仏様の説明をして下さいます。
スペースがあまり広くないので、
一度に話を聞けるのは20人くらいまで。
なので、前のグループが話を聞いたら、
おじいちゃんの指示で、
また次のグループと交代ってな感じで、
まるで修学旅行に来たみたいにわくわくして。
それにおじいちゃんが本当に饒舌に楽しんで話されるので、
これまた本当に自分の田舎で昔話を聞いてるようで、
とっても楽しい一時でした。
今もおじいちゃんのお話は聞けるのかなぁ。
一方、大仏様の方はと言えば、
あぁ〜、なんて優しいお顔っ。
それに飛鳥大仏様はね、
ほんとに間近で感じることができるんですよ!
さっきも言いましたが、この大仏様がおられる部屋は、
そこまで大きなお部屋ではないので、
あの優しいお顔が、目と鼻の先にあるんです。
素敵ですよねぇ〜。
大仏、と言っても、大きすぎずのちょうど良いサイズで、
ほんとに親近感を持って接することが出来て、
「遠いとこ、よぅ歩いて来たなぁ」
なんて大仏様がねぎらって下さってるようで、
あったかい大仏様と対話したような気分。
すっかり一日の疲れも飛んでいっちゃいました。
その他の寺内もすぐにでもぐるりと回れるくらいのサイズ。
置き物とか結構ぞんざいに置かれていて(笑)、
それが一層、このお寺のあたたかさを伝えているようでした。
お寺から少し西へ出たところには、
蘇我入鹿の首塚があって、
少し淋しさを味わってのち、
ぼくは飛鳥寺をあとにしました。
あ、そうそう、飛鳥寺の前には、
ひょうたん屋があるんです。
「ひょうたん屋」、良いでしょう??
ひょうたんで色んな置き物を作ってあるんです。
中には2mくらいのひょうたん蛇の置き物があって、
ぼくがそれをまじまじと見ていたら、
中から立派な白髪の顎鬚をたくわえた、
タンクトップ姿のおじいちゃんが現れて、
「これはワシが作ったんじゃああ」
言うて、聞いてもないのに(笑)、
えんえんひょうたん置き物の魅力を語って下さいました。
当時、ぼくも顎鬚を生やしていたので、別れ際、
「その鬚はええ鬚になるうう」とおじいちゃんは誉めて下さって。
ほんと、飛鳥のひとたちは皆あたたかいひとばかりでしたっ。
おじいちゃん、ひょうたんまだ作ってますかっっ??
そして飛鳥寺より、さらに北へ進むと、
水落遺跡が見えて来ます。
水落遺跡。日本最古の漏刻(水時計)の跡ですね。
中大兄皇子によって作られたと言われています。
水で時を刻むなんて、素敵ですよねっ。
古代のひとはロマンティックだったんだなぁ。
遺跡よりさらに北にある飛鳥資料館で、
復元模型を見ることが出来ますので、
ぜひ、ご覧になってみて下さいねっ。
…と、全5回に渡ってお送りして来た、
「飛鳥を歩く」シリーズですが、
この水落遺跡が最終地点となりました。
水落遺跡をあとにしたぼくは、
甘樫丘にも立ち寄りたかったのですが、
時間の都合で叶わず、
あとはバス道沿いを近鉄橿原神宮駅を目指し、
帰路につくことにしました。
駅に着いたのは、だいたい6時頃だったかな。
丸一日、飛鳥を歩き回っていたことになりますね。
皆さんが行かれる場合は、
一日の予定なら自転車で、
徒歩でなら、2回にわけて回る方が、
余裕を持って楽しむことができるかもしれません。
日本の原風景、飛鳥。
日本文化が生活に根ざした形で残っている、
あたたかくかけがえのない場所であると思います。
もし、興味を持たれたら、皆さんもぜひ、
一度ならず何度でも足を運んでみて下さいね。
あー、ぼくもまた絶対行くぞー!
終。
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